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投資に回す余裕なんてない…それでも“今”できる将来への備えとは?
収入は増えないのに物価はどんどん高騰。投資に興味はあっても「生活費で精一杯…」と感じる人は少なくありません。その原因は「収入が少ないから」ではなく、家計のムダ支出が原因になっていることも。本記事では、今の生活を苦しめずに投資を始めるための家計見直し術と、初心者でも取り組みやすい投資を紹介します。
本記事の要約
物価上昇で「投資なんて無理」と感じる方も、実は家計のムダを見直すことで少しずつ資産形成を始めることができます。新NISAを活用すれば、少額からでもインフレに備えた投資が可能です。大切なのは、無理なく続けられる仕組みをつくること。今日からできる一歩を踏み出せば、将来の安心につながります。
今の収入でも投資資金を作るには?
出費が増える中で取り組むべきは、不要な支出を抑える節約と今ある資産を増やすこと。言葉にするのは簡単ですが、実行するとなると具体的にどうしたらいいの?と悩んでしまうのはみんな同じ、一つずつ見ていきましょう。
お金の使い方のマインドチェンジ、消費から投資へ
生活を豊かにするには、変えられない部分を嘆くよりも、変えられる部分の見直しが何より大事。つまり、お金の使い方です。お金を使わずに生活することは不可能ですが、お金をどのように使うかにより、手元に残るお金は大きく変わります。
ただお腹を満たすだけのファストフードといった何も残らない「消費」をするのか、将来の健康のために栄養豊富な食事をとる「投資」をするのかにより、未来の景色は変わります。
最初にやるべきは「家計の棚卸し」、見えないムダを可視化しよう
お金の使い方を見直しするにあたって、まずは毎月いくらの生活費で暮らしているのかを把握しましょう。収入に対して、住居費や食費、教育費がどのくらいの金額を払っているのかをまとめるだけで、自身の家計を冷静に見ることができます。今は利用していないサービスにお金を払っていたり、「こんなに払っていたの」と驚くこともあるかもしれません。
固定費の見直しで毎月1万円以上を投資資金に
家計の支出には大きく分けて、「変動費」と「固定費」の2種類があります。変動費は、月によって支払金額の幅が大きい支出を差し、食費や教育費などが該当します。固定費は、毎月の金額がだいだい一定している支出をさし、光熱費や生命保険料、通信費、住居費などが該当します。積み重なると大きな金額になるため、毎月の収支を圧迫している可能性になっていることは少なくありません。
このような状態は要注意
✓ クレジットカードの明細を毎月見返していない
✓ 動画配信やサブスクの契約を半年以上見直していない
✓ 直近3ヶ月の水道・光熱費をすぐに答えられない
通信費・保険・サブスクは“契約放置”が最大のムダ
固定費はその名の通り、ほぼ固定の金額を定期的に支払うもの。長く支払いをしていると「これはこの金額だよね」とみなしてしまうことが多いですが、それは要注意です。契約時には最適だったプランでも、ライフステージや価値観の変化により今の暮らしには合っていない契約になっていることはよくあります。
映画を見る時間を確保できないのに動画配信サービスの契約を何本もしていたり、子どもが独立しても生命保険の契約をそのままにしていたり、そうした不必要なお金を払っていませんか?
固定費は一度見直せば、その節約効果が高いだけでなく、その後も自動的に節約効果が続いていくメリットがあります。支出のムダをあぶり出し、家計のスリム化を図ることで、将来の教育費や旅行資金に潤いが生まれます。
都内在住Aさんの例)
通信費:7,000円→3,800円、保険:18,000円→12,000円 → 合計▲9,200円=年間約11万円が投資資金に
将来必要なお金を把握して不足分は早めに備える
「いくらあれば安心なのか」と関心が高くなるのは、子どもの教育資金や自身の老後資金ではないでしょうか?準備する金額は多いに越したことはありませんが、収入とのバランスも重要。
教育資金・老後資金の目安
保育園・幼稚園から大学卒業までにかかる教育費の平均は公立約1000万円、私立約3000万円。最低日常生活費は月額23.2万円という数値が出ています。あくまで平均値なので家族構成や健康状態など個々のライフスタイルにより異なります。
貯金や保険だけではカバーしきれない時代
子育てや介護による休職や時短勤務など、ライフステージによっては十分な教育資金・老後資金を確保するのが難しいことも。将来に備えるにも、貯金や保険では利子は雀の涙ほどがほとんど。
そうなると、貯金や保険ではない別の方法で、お金を守り、増やす方法を持ちましょう。
新NISAとは?お金がなくても始められる?
リスクは最小限に、でも着実にお金を増やしたい……そんな方には新NISAがおすすめです。
新NISAの非課税メリット
NISAはもともと個人投資家向けに設けられた制度。通常、投資で得た利益の約20%に税金がかかりますが、NISAは非課税です。
例えば、100万円の利益を上げると約20万円は税金徴収され、手元に残るのは約80万円。しかしNISAは、利益の100万円がそのまま手元に残るため、これまで投資をしてこなかった層からも注目を集めるようになりました。そして、NISA制度を拡充・恒久化した新NISAが2024年1月からスタートし、利用者がさらに増加しています。
少額・長期で増やすコツ
「投資は難しそう」と感じる方こそ、新NISAを使って少しずつ慣れていくことを推奨します。新NISAは少額投資を行う人向けの制度のため、短期間で利益を出すのではなく、小額を長期間運用することで利益を出すのが特徴。金融機関によっては月100円からでも始められるため、まとまった資金がなくても、“時間”を味方につければ、着実な資産形成ができます。
毎月3万円を複利5%で積立した場合のシミュレーション
「ロボアドバイザー」を活用すると初心者でも安心
近年は「ロボアドバイザー(ロボットアドバイザー)」という投資初心者向けサービスも人気です。簡単な質問に答えるだけで、自分に合った運用プランをAIが提案してくれます。新NISAの開始に伴い、「専門的な知識がなくて不安」、「忙しくて状況確認をする時間がない」という人向けのサービスも急拡大しています。「自分一人で運用するのは心配」という方はこうしたサービスを利用するのもひとつです。
預かり資産・運用者数が国内No.1(※1)の「WealthNavi(ウェルスナビ)」では、2025年7月時点で同社ロボアドバイザーの預かり資産は1兆5,000億円、運用者数は、40万人を超えており、便利なツールを使いながら投資を始める人が増えています。
計画に不安がある方は専門家への相談も選択肢に
将来ばかりを不安がって“今”を直視できないと、いつまで経っても未来は変わりません。不安の原因を突き止め、解消するには何をどうすべきかを洗い出して、適切に対処していきましょう。最も大事なのは、お金を貯めることを目的にせずお金を使ってどう豊かに過ごすかを描くこと。
その第一歩としてまず取り組むべきは自身の家計状況の見直し。「本当にこの計画で大丈夫かな」と迷ったときは気軽に相談ください。不安の正体を言葉にしてくれる第三者がいると、解決スピードは何倍にもなります。
※1 一般社団法人日本投資顧問業協会「契約資産状況(最新版)(2025年3月末現在)『ラップ業務』『投資一任業』」を基にネット専業業者を比較 ウエルスアドバイザー社調べ(2025年6月時点)
FAQ
Q1. 収入が少なくても投資はできますか?
収入が限られていても、家計の見直しで投資の原資をつくることは可能です。例えば、固定費の削減や不要な保険の整理だけでも毎月数千円〜数万円の余裕が生まれるケースもあります。その余裕資金を新NISAを活用して積立投資に回すことで、無理なく資産形成を始められます。
新NISAとインフレ対策は関係あるの?
インフレが進むと現金の価値は目減りします。その対策として「資産を増やす仕組み」が必要です。新NISAを使えば、長期・分散・低コストの商品に投資しやすく、インフレに負けない資産形成を目指せます。銀行預金だけに頼るより、将来の生活を守る手段として効果的です。
初心者が資産形成を始めるなら何からすべき?
まずは家計の現状を把握し、余裕資金を作ることが第一歩です。その上で、新NISAを活用した積立投資が初心者におすすめです。投資信託などの低コスト商品を選び、時間を味方につけてコツコツ積み立てることで、少額からでも将来に向けた資産形成が可能になります。
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